この記事では私が作成したVRChat用アバターの雑多な話をします。
全てのアバターは基本的に全ての部分において自作であり、使用者は私のみを想定したものであり、販売・頒布予定等は一切ありません。
大体時系列順に並んでいます。

ボクセル・エルドラ

始めて作成したアバター。2019年9月らしいです。
MagicaVoxel製。また、アニメ『selector infected WIXOSS』の二次創作アバターでもあります。
当時はアバターの作成から、アップロード、Blueprintのこととか全くわからなかったので無駄に登録されているアバターが多く、バージョンが6つくらいあります。
当然あちこち破綻している部分も多いですが、当時は当時でかなり嬉しかった覚え。
とはいえやはりあまりにもでかい存在感と低いクオリティからあまり使われることはなく、ここからしばらくVRChatはやらなかったと記憶しています。

ふたせ

思い立った日に作ったアバター。月日はだいぶ過ぎて2021年の2月から3月にかけて。
Blender製。これも前述のアニメの二次創作アバターです。作れたとき自らの経験値がグッと上がった感覚がしました。
少しずつアバターについての知識をつけてきて、Expressionsによって表示・非表示できるネコ耳やメガネ、しっぽ、学生服など、わりといろいろなシステムがあったりします。
そのせいでMediumなんですが…

CH-47 チヌーク

これまた思い立ちの産物のGenericアバター。
律儀にExcellentを保とうとしたため、小さいアバターとなってしまいました。この反省は次のVC-24 Gryphonで生かされることに。
何気に塗装を変えるギミックや土煙のパーティクル付き。なのでExcellentどころかMediumです。

VC-24 Gryphon

前述の反省を活かし、可能な限りExcellentを保ちつつ大きなアバターとしたいがために作られたティルトローター機。
ゲーム『Frontlines: Fuel of War』の二次創作アバターでもあります。
横幅を稼げばいい感じに大きく作れるかな、という考えなので、Bounding自体はExcellent準拠。それでもチヌークよりは大きくなったため、非常に存在感のあるデザインに。
喋るとローターのライトが点灯し、光の円を描きます。

ふたせ(2代目)

2代目ふたせ。Blenderがわかる(わからない)ようになってきた頃に出来たもの。
制作初期はあまりにも恐ろしい顔だったが、だんだんかわいくなってきたのでかなり満足だったもの。しばらくこの子を使っていた記憶があります。
とはいえ、二次創作アバターであることには変わりなく、自らの分身として人格を持たせるには無責任かなと感じたため、後にオリジナルアバターの作成の動機となります。

カサネ

パンクロックとメッシュヘアーがすき!という気持ちから産まれたアバター、カサネ。
ローポリかつ低解像度テクスチャのため、初代ふたせとともにローポリ・低解像度アバターの人というイメージを打ち立てました。
ハイトマップを手書きで作ったりと色々と野心的なことをしているものでもあります。

カサネ(2代目)

2代目カサネ。初代カサネを使っているときにもやはり感じたハイエンドアバターへのジェラシーから産まれたアバター。
ハイポリ化しそれっぽい服のシワまで描かれたものの、あまり長い間使われなかった覚えがあります。
仮のTシャツに書かれた文章で外国人の笑いを取れたのはあまりにも有名。

おじさん

何も言うまい。

カサネ(3代目)

3代目カサネ。この頃Quest 2を(けしずみさんから投げられ)入手したため、より表情にこだわるようになります。
主に缶詰茶房 物販コーナー様の化野干くんへの憧れから2時間程度で産まれたベストセラー(?)アバター。
パンクロック、メッシュヘアーを踏襲しつつSD化することで絵が描けない・デザインが出来ない・複雑なものをモデリングできないの三重苦を回避し、きれいなデザインとかわいらしさを実現しました。
恐らく最も長くお世話になった子かと思います。

いろは

初代いろは。改めてハイエンド…もといミドルエンドくらいを目指したかったアバター。
いろはという名前は最初はカサネにつけられる予定だったもので、デザインの方向性が決まってからこの名前が似合わないと感じたためにカサネの名前をつけたもの。
そのため再利用された名前というわけです。
ただ、あまりかわいくならなかったので最終的にそのままお蔵入り。

いろは(3代目)

3代目いろは。
2代目が紹介されていないのはほとんど使われていないため。ただ、頭部は2代目からの使いまわし。
一番最初に手を作り始めて、きれいな手になったために制作を決定した経緯のあるアバターのため、これまでで最もきれいな手をしています。
この子も結構長く使われていました。

MQ-88T

MQ-88T通称キューティ。空を飛びつつみんなを小さく見下ろせて、手もあるのでコミュニケーションもしやすいアバターがコンセプト。
このアバターを見せびらかしたところ某氏(2枚目左)を触発し兄弟分が出来たというエピソードつき。
前にも出てきたゲーム『Frontlines: Fuel of War』に登場するドローン「MQ38 Hunter Drone」
を主なモチーフとして、『Half-Life 2』「Dog」『Portal 2』コアにも強い影響を受けています。

カサネ(4代目)

振り払えないハイエンドへのあこがれから改めて産まれたカサネ。
デザインは初代をなるべく踏襲し、原点回帰といった趣です。
PhysBoneが実装された最初のアバターで、髪やスカートが少し揺れます。

セナ(初代)・セナ(2代目)

振り払えない以下略と一種の諦め。
これもまたPhysBoneでいくらか動くのですが、結局あまり満足がいかなかったため全く使われることはありませんでした。
しかしながら次のアバターのデザインを完成させたという意味では意義はあったのではないでしょうか。

セナ(3代目)

改めて3代目カサネの完成度を踏襲したいと願ったセナちゃんです。
この子もだいぶ長いこと使われていましたね。アバターのサムネイル画像を自分で作成した初めてのアバターでもあります。
だいぶ頭身低めで、人差し指のぐるぐるがお気に入りポイント。

ルーク

一応男の子で、モチーフは犬です。初期構想段階ではメカクレで魔法使いだったのですが、いつの間にやらこっちの方へ。
また、水着が似合う子として作りたかったのですが、デザインを凝っていくうちにどんどん普通の格好になってしまい、結局水着は消えました。
なんだか顔色が悪いですが、まあかわいいのでOK。

カサネ(5代目)

5代目カサネ。現在の技術、技法を用いて改めてカサネちゃんを作りたいなあと思っていたところ、3~4日くらいで形にすることができた奇跡の一作。
やはりこうした若干のデフォルメを含んだ方向性のアバター・デザインの方が合っているなと思います。これまでに完成しなかったカサネちゃんは2~3体あるので、尚更。
Pythonなどの手を借りて高度にプロセスを自動化しており、エクスポート作業が非常に安定化しているほか、絵が描けない問題を、テクスチャをシンプルに作ることや、UV展開やベイクを半自動化することで大幅に克服。
また、Shape Keyを多用してアクセサリーを追加することで、Excellentを保ち、4000ポリゴン程度で高度な表現を行っています。
結果的に個人的に最も納得がいく、クリティカルヒットなアバターの一体となりました。

カサネ(5代目)のちょっと細かな技術的な解説

そもそもこのアバターを何度も作っている理由は、単純に好きなデザインを延々擦り続けているからです!
デザインの方向性としては初代カサネの時点から大きく変わってはいません。 また、私の技術的要求の以下も合わさります。 これまでの失敗、ないし満足に完成しなかったアバターを反面教師として、比較的ゆるめのデザインを心がけて作成しました。

実際工夫したこと

頂点カラー

UV+グラデーションマップ

出力されたBase Color

Blender内シェーダー

Blender内での作業は、主に頂点カラーと複数のマテリアルを使用した陰影の作成により行われました。シェーダーでは頂点カラーをUVで表示しているグラデーションマップと合成し、結果をBase Colorとして表示しています。
これにより、絵を描くことや、UVに細かいこだわりを持たせる必要がなくなりました。頂点カラーの調整は非常に簡単なため、色味を制作初期から試し、モチベーションにも大きく貢献しました。
UVの有効活用のため一部のUVは手動で非常に小さく、あるいは大きくしていますが、最終的には512x512のテクスチャ2枚でUnity上の表示を表現できています。
出力したBase Color他はベイクによって画像化し、テクスチャとして使用します。

また、PythonをBlender内で使用し、Excellentに必要なメッシュ統合やマテリアル削減等も行いました。これによりワンボタンと10秒程度でエクスポートが可能な状態まで処理を進めます。
こうした工夫により、事故を大幅に削減したうえで、時短も行い、非常に高速にプロセスを進めることができました。